CONCEPT WORK / MEMORY SONG 架空の作品例です

MASS. SONG / CONCEPT WORK 01

父と、
最後に行った海

特別ではなかった、
あの一日を歌にして。

娘から、母へ

この記憶から生まれた歌

また行こうね

歌詞を辿りながら聴けます

夜明けの道を走る車の後部座席から、父と母の背中を見る
「海でも行くか」。その一言から始まった。

VERSE 1 / 行きの車

ふつうの日の、
ふつうの会話。

「海でも行くか」
めずらしく 父が言った
母は少し笑って
冷蔵庫にあるもので
おにぎりを握った

ラジオと ときどきの会話
昔の話が続いていた
わたしの知らない
小さなわたしの話に
助手席の母が笑っていた

海沿いを走る車内。ラジオと青い布に包まれたおにぎり、母の笑顔が見える
ラジオ、おにぎり、ときどきの会話。

PRE-CHORUS / 防波堤

何も言わない時間も、
一日のなかにあった。

防波堤に並んで座り、二人で海を見る父と母

昼を少し過ぎたころ
三人で防波堤に座った
泳ぐわけでもなく
ただ 同じ海を見ていた

CHORUS

「また来ような」

父の短い言葉
波の音にまぎれて
いまも胸に残っている

何も言わない時間まで
家族の一日だった

波の音の向こうに、
言葉は小さく残った。

薄い桃色の空の下、海沿いを帰る車内。母が眠り、父が運転している
誰も、最後とは知らなかった。

VERSE 2 / 帰り道

海は、
後ろへ遠くなった。

帰りの車で 母は眠り
夕焼けが後ろからついてきた
バックミラーの中で
遠くなる海の色を
誰も 最後とは知らなかった

BRIDGE / あの一日

特別なことは、
なかった。

おにぎりを食べて
昔ばなしを聞いて
父の静かな歩幅のまま
一日が暮れていった

夕方の海辺を、父と娘が並んで歩く後ろ姿

FINAL CHORUS

「また来ような」

その声を連れて
母と見ていた海へ

いつか戻れるなら
あの日の静けさごと
そっと抱いていこう

OUTRO / AFTERGLOW

お母さん

あの日の海は
いまも ちゃんと
ここにあります

また 行こうね

FROM THE VOICE TO THE DAY

歌に残った一日を、
映像の時間で辿る。

夜明けの後部座席から、夕暮れの海辺まで。
同じ記憶を、65秒の流れに預けます。

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夕暮れの海沿いを帰る車内。母が眠り、父が運転している